脳天から肛門までまっすぐ斬り降ろされたような読後感(ってどんな読後感?)である。100ページ少々の、1〜2時間で読むことができる冊子と言ってもいいくらいの本なのに、核心を突く記述が次々に出てくるものだから、うなり、目からうろこが落ち、天を仰ぎ、わかったと叫び、読み返し、引用されていた鶴見俊輔『「もうろく帖」後篇』をネットで探して買い、そこから思い立って豸さんの本を数冊買い、と波紋が広がる。

 名著『AV女優』からの引用もあると言えば、通り一遍の読書論ではないことが容易に想像できるだろう。

 本書は読み方の本だが、裏から見れば書き方の本である。そもそも高橋源一郎さんは小説家なのである。

 大事なことは1行で書けとか分かりやすく書けとか、文章の書き方や表現方法を指南する本が数え切れないほど出版されているけれど、源ちゃんはその辺りを一刀両断して「これだろ」と見せてくれた。あまりにも大事なのでここに抜き出すようなことはしない。該当箇所に赤線を引き、そのページの角を折ってあるので、私だけ分かればいい。