去年だったか岩波文庫の漱石全集全27巻をまとめて買ったものの、読むべき活字が多すぎてしばらく放り出してしまった。ようやく手にしたのがこれ。

 高等遊民は出てくるし、親子関係に悩みを抱える人物も出てくるしで、漱石といえども全くの無から小説を書いたわけではないのだな。いや、小説は100パーセント空想の物語だと最近まで思っていたので、漱石でさえ経験を核として周囲を膨らませるのを知って「なーんだ」というか。

 小説は作者と離して読むべきだとは思うものの、チラリズムで姿が見え隠れするところを味わうのも外道かもしれないが面白くないわけではない。

 次は『行人』だが、年内に読み始めるとすると12月末に広島に向かう新幹線の中だろうなぁ。