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『新潮』2月号を買ったのは、筒井康隆さん(86歳)の『川のほとり』を読むためだ。この作品が話題を呼び、アマゾンでは2倍以上の価格である。幸いにも東京駅前の丸善にあったので定価で買うことができた。

 筒井康隆さんのご子息が昨年2月に51歳で亡くなったことを題材にした作品である。今の時代、逆縁ほど恐ろしいものはない。

 あの筒井康隆さんがわずか10枚の作品を書くのに1年近くかかったわけで、そういう背景を踏まえた上で読むと予断を持ってしまうものではある。それでも、このような昇華のさせ方をしたのかという静かな感動と不思議な感覚が私のこころに広がった。合掌したくなるような気分である

 めでたいことを何か話せと言われ、「親死に子死に孫死ぬ」と喝破したのは一休宗純だった(諸説あり)。