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 恒例元日の新聞紙面比べ、2021年のイチオシは『朝日新聞』(東京本社版)13面の米津玄師さんインタビュー記事である。

《自分は、『あってもなくてもいいもの』を作っている、という自覚は以前からありました》

《新型コロナウイルスを前にライブをすることすら出来なくなってしまうのは、脆弱な存在だと、改めて強く感じました。それに、罪悪感のようなものも感じていました》

《自分は、家の中、パソコンの前で一人で作業をすれば成立してしまう業種ですが、そうではない人間のほうが多いわけですよね。満員電車に乗らなければならない、人と接触することでしか成立しない、そういう業種の人たちは、これからどうやって生きていくのだろうかと。そこに申し訳なさを抱えるようにもなりました》

 インタビュー記事は1面全てを使っているのだが、冒頭のここだけを読んで米津玄師さんのファンになろうと決めた。私の古里徳島出身の有名な人だという程度のことは知っている。しかしその音楽を私はたぶんまだ聞いたことがない。これから聞こうと決めた。

 昨年末の『朝日』の書評欄で、これとは正反対の、何となくドヤ顔が垣間見える文章(私は執筆や音楽作りを外出せずにできるという趣旨の文章)を読んで、違和を感じ続けてきたせいだろう。さらっと書いてあったが私は引っかかった。

 自分は外出しなくても成り立つ仕事でよかったと思っている人と申し訳なさを感じる人と、どちらに親しみを感じるかという単純な話である。生み出す作品のどちらに耳を傾けたいかという話でもあるかな。

 ちょっとした違いのように見えるけれど、重大な資質の違いが横たわる。米津玄師さんの代表作から始めるとしよう。

 読み比べた新聞は、朝日毎日読売産経日経東京神奈川スポニチ。