最近あちらこちらで大地が揺れている。新耐震基準で建築された家屋であっても、ゆさゆさ、ゆさゆさと何度も何度も揺さぶられたら、大きな地震が来たときに倒壊する恐れはないのか。

 一級建築士の友人小磯に聞いてみた。

「熊本地震で震度7が続けて起きた村があった。そこにあった新築の木造住宅、1回目の地震では大丈夫やったけど、2回目で壊れた半壊。全壊に近かったかな」

 新耐震の新築でも倒壊するのか。

「人間の想定通りにならん、ちゅーこっちゃな。単純な話、何回も揺すったら硬い竹でも折れるもんね」

 人間の想定通りにならん、という指摘が何とも恐ろしい。

 これまでも何度も揺さぶられてきた家屋の内部が少しずつ緩み、次の震度4や5程度で倒壊する可能性があるのではないか。人間に例えると、何度も揺さぶられてパンチドランカーのような状態になっている家屋があるのではないかというのが私の想像だ。

 鉄筋鉄骨ならここまで緩くなることはないと思いたいが、自然は人間の知恵を超える。