1978(昭和53)年にポプラ社から出て、1998(平成10)年に社会批評社から、2002(平成14)年に新潮文庫からと、出版社を渡り歩き、2016(平成28)年に講談社文庫に収まった。水木しげるファンの多さというのか、ここまで長寿となるとゲゲゲの鬼太郎の歌詞「おばけは死なない」に重なる。

 水木しげるさんは毎日新聞の配達や拡張をしていたのだった。せっかくのご縁があったのだから、ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターを総動員して「おばけも読んでる毎日新聞」などと宣伝する絵を描いてもらえばよかったのに。替え歌で「みんなで読もうゲゲゲのゲ」とテレビCMを流すとか。もう遅いけれど。

 本書は水木しげるさんが世に出るまでの自伝である。鷹揚な雰囲気を出しているものの、実際はいろいろなところに頭をぶつけ、ウロウロキョロキョロあたふたしてきたのではないかと想像させる。

 今の今まで本書の題名を「ほんまにオレはアホやなぁ」だと私は思い込んでいた。「アホやろか」では面白くも何ともないし、微かな自慢が漂ってくる。どうせなら落としたほうがよかった。