女子高生の遺体発見現場を捜索する警察官の映像をTBSが午前4時半の番組で流した。テロップに「午前2時」の文字。ついさっき撮ったばかりの映像である。

 新聞記者になって初めて知ったことの1つに、家宅捜索や遺体捜索について警察は事前に何も公表しないということだった。よく言われたのが、夜の弁当の数を数えておけ(家宅捜索は朝早いので刑事は泊まり込むから)だのスコップの数(遺体はたいてい地中に埋められているのでスコップで掘り起こす)を数えておけ、だのである。しかし、このような“手がかり”が必ず役に立つわけでもなく、最後は警察官とのパイプで決まる。

 テレビで時々見かける「いま家宅捜索に入りました」の映像は、記者の努力の賜物なのである。

 むかし福島支局にいたころ、福島県警から事前に連絡が来たことが1回だけあった。朝の6時か7時ごろの家宅捜索で、現場には各社来ていた。何のことはない過激派のアジトだか何だかに踏み込んだのである。過激派の家宅捜索は当時全国ニュースの位置づけだったようで、夕刊用に記事を書いた。

 現場で見守っていたら報道官が寄ってきて小さな声で聞いてきた。
「これ、東京の新聞に載るかい?」
「はい、夕刊に載ります」

 東京の夕刊に載れば霞が関が読む。警察庁が読む。つまり県警本部長の手柄になるのであるわけだな。本部長を持ち上げなければならない警察も大変だなぁと思わないではなかった。

 話を戻す。極端な話、捜索現場の映像(写真)がなくても新聞記事は書くことができる。しかし映像勝負のテレビは優劣の差が明確に出る。

 この日のNHKとテレビ朝日を見たが、捜索現場の映像はなかった。向島署の建物の外観の映像という何ともツマラナイ映像を流すしかなかった。つまりTBSに完全に抜かれたのである。

 TBSよくやったなぁ。