ニコンファンは「見たか!」と鼻息を荒くした。ハイアマチュアからプロ向けのフラッグシップ機Z9の登場である。
カタログに示される性能は断トツ、価格の安さも他メーカーを圧倒した。驚きの声がカメラファン全体から上がったのは当然だろう。
3年前にZ7とZ6が登場したとき、待ちに待ったニコンファンは落胆し、他メーカーファンはせせら笑った。しかし、こうなるのはニコンの計画どおりだったはずだ。なぜならZ7とZ6を発表したとき、確か当時の社長だったと思うが、セレモニーで「よくぞここまでできた」みたいなことを言っていたのである。それを恐らく大半の人がZ7とZ6のことと受け止めた。
自慢するつもりはさらさらないが、社長が感嘆を漏らしたのは「Zシステム」だと私はあのとき感じた。マウント径55ミリ、フランジバック16ミリで示される基本設計である。ミラーレス最後発なので頑張るしかなかったに違いないが、見事に他メーカーを上回った。後出しじゃんけんで勝ったとも言える。
そのZシステムができたのだから、あとはカメラ本体の開発だけだった。自分の残り時間を数えると絶対に絶対に絶対にZ9を買うことはないけれど、ユーチューブでZ9の情報を毎日のように見てしまうのはなぜだ(笑い)。