本多勝一氏のようなことを書くのは嫌なのだが(と私ごときに書かれると本多氏も嫌だろうw)、最近「パーパス」と言ったり書いたりする人が出て来た。新聞に「ソニーのパーパスは」と書いてあった。

 パーパス? パープル(紫色)と最初読み間違えた私が阿呆であることは言うまでもないが、パーパスって、あの、英語のpurpose(綴りが厄介だ)のことか? 

 purposeにはいろいろな意味がある。手持ちの『ウィズダム英和』で引くと、目的や意図、生きがい、決意、結果などの訳が並ぶ。どれを指しているのか? 「全部含むからパーパスなのだ」と反論されそうだが、そういういい加減な使い方を「ごまかし」や「目くらまし」などと呼ぶ。

 会社の名前を忘れてしまったが、その会社が「結果にコミット」という宣伝文句を使いまくっていたときもそうだった。コミットにもいろいろな意味がある。日本語に置き換えないことで「ごまかし」ができるのである。

 本多勝一ではないけれど、日本語を使え。そのほうが精密に表現できる。

 中国人に「ソニーのパーパス」などと言った場合、中国語にどう翻訳されるのだろう。その漢字を参考にして日本語に置き換えるのも1つの方法かもしれない。