「冒険の森へ 傑作小説大全」11巻の『復活する男』も面白かった。

 この本で初めて北方謙三さんの小説を読んだ。ハードボイルドがびんびん伝わってきて、はまるはまる。ヤクザ映画を見終えた観客が肩を怒らせて映画館から出てくるのと同じように、ポンコツの私までがハードボイルドの主人公になった気分にさせられる。それだけ物語に入っていたわけで、だからこそハードボイルドは面白いのだろう。

 ほかの作品も魅力にあふれ、エンタメの幅の広さに目がクラクラ。死ぬまでにあとどれだけ読むことができるのだろう。残り時間を考えると、余計なことをしている場合ではないとあらためて思う。

 この11巻は『復活する男』という題名で、そういう時代の空気が出ている。そのうち「復活する女」とか「復活するLGBT」とか、そういうのが出て来ないといけない。

【長編】
飯嶋和一 「汝ふたたび故郷へ帰れず」
北方謙三 「檻」
【短編】
隆慶一郎 「ぼうふらの剣」
白石一郎 「秘剣」
浅田次郎 「門前金融」
乃南アサ 「彫刻する人」
藤原伊織 「雪が降る」
東野圭吾 「誘拐天国」
【掌編】
星新一 「使者」
城昌幸 「スタイリスト」
眉村卓 「拾得物」
景山民夫 「ボトムライン」
大沢在昌 「二杯目のジンフィズ」