『毎日新聞』の連載で山田孝男特別編集委員(どうでもいいことだが、外部の読者には「特別編集委員」とか「専門記者」とか全く意味が分からないし興味がない。「記者」でいいんじゃないか。定年後の肩書きとそれに付随する処遇はひいきで与えられるという説があるくらいだから、ますますどうでもいい)が取り上げなかったら、読まなかった。

 山田さんは人格高潔と聞く。私が福島支局を離れたあと山田さんはデスクとして福島支局に来たので、残念なことにお会いしたことはない。しかし、福島在住の第一生命の女性がわざわざ私に電話をかけてきて、山田さんはすごい人だと繰り返し繰り返し熱心に言うのである。これは一体どういうことだと驚いた。山田さんの下で働いた支局員の評判も高く、下劣な私としては爪の垢を煎じて飲む機会がなかったことが残念でならない。

 話がそれているのでもとに戻す。

 そういう理由で注目していた山田さんが東京に戻って連載を始めた。政治記者だった岩見隆夫さん(晩年は「特別顧問」)の後継者的な位置づけかなと思ったが、記事にはバランスがあり、ギリギリまで記事に手間暇をかけている様子を噂で聞いたこともあり、私は信頼して読んできた。

 前置きが長すぎるのだが、そういう記者が連載で取り上げた『私が見た未来』だから読まないわけにはいかなかった。

 ここで詳細は書かない。よほどのことがない限り本は身銭を切って読むべきだと思うからだ。

 1つだけ書いておくのは、最初読んで「どういうことだろう」と腑に落ちなかった記述が、トンガ沖海底火山噴火を見て、「あ、そういうことか!」と合点がいった。

 予言が外れるに越したことはない。いずれにしても準備をしておく必要はある。まだ少し時間があるので、着々と準備を進める。