新聞広告で興味を持った。本を読む人間向けのアピールの場として新聞は相性がいい。
17の短編で描いたのはこの世とあの世のあわい。私の好んで読む小説とは系統が異なるけれど、読んだことのない世界だけに面白い。兵庫県出身の著者らしく、笑いを誘う工夫が随所に凝らされている。
「いちまい、にまい」とお皿を数える菊枝、と記されていれば、日本人ならピンと来る。これを外国人に向けて英訳するとなると背景説明を補足する必要があり、そのぶん面白さが損なわれるはずで、にもかかわらず世界幻想文学大賞受賞といういことは翻訳者に恵まれたのだろう。そういえば、外国の文学賞は翻訳家に恵まれるかどうかだということを確か林真理子さんが語っていた。
著者や翻訳者の才能が描き出した霊験あらたかな世界である。
17の短編で描いたのはこの世とあの世のあわい。私の好んで読む小説とは系統が異なるけれど、読んだことのない世界だけに面白い。兵庫県出身の著者らしく、笑いを誘う工夫が随所に凝らされている。
「いちまい、にまい」とお皿を数える菊枝、と記されていれば、日本人ならピンと来る。これを外国人に向けて英訳するとなると背景説明を補足する必要があり、そのぶん面白さが損なわれるはずで、にもかかわらず世界幻想文学大賞受賞といういことは翻訳者に恵まれたのだろう。そういえば、外国の文学賞は翻訳家に恵まれるかどうかだということを確か林真理子さんが語っていた。
著者や翻訳者の才能が描き出した霊験あらたかな世界である。