吉野家の常務が早稲田大学の社会人向け講座で“脱線”した。「生娘をシャブ漬け戦略」と言ってしまったらしい。

 笑いを取るためだったに違いない。10年前なら実際笑い話で済んだだろう。分かりやすい例えではないか。「生娘」。実にいい響きである。という塩梅で、世の男性の大半の頭の中はろくでもないことを考えているので、「生娘」いいなぁ、なのである。「シャブ漬け」に至っては完全に冗談の世界だ。

 今回の問題点は3つ。今の時代のルールを分かっていなかったのが1つ。もう1つは、同じことを私ごとき馬の骨が言っても屁でもないが、社会的に立場のある人が言うと問題視されるのである。最後の1つは、不特定多数の場で語ったものは外に必ず漏れるという前提で話さなければならない。

 つまり私のような阿呆が親しくなった生娘と二人っきりの場で「シャブ漬けにしてやる」と言っていればどこからのお咎めもなかったのに、という話である。

 世の中は建て前でできている。吉野家はただちに常務を解任したが、この元常務はマーケティングの専門家だそうで、これだけ注目を集めることができたという意味ではさすがマーケティングの専門家である。