同じ阿呆なら泥と炎のニシノ説

軽挙妄動のワタシが世の中の出来事や身の回りの出来事に対する喜怒哀楽異論反論正論暴論をぐだぐだ語り続けて5000回超

医療の現場

院長が亡くなり患者とスタッフが困った理由

 肝臓がんでステージ4と診断された院長がいた。余命宣告を受けたはずだが、それはスタッフには知らされなかった。酸素を吸いながらも患者を診て、ある日亡くなった。

 院長も家族も死ぬとは思っていなかったので「突然の死」だったが、痩せていく様子などを見てきた看護師らは冷静に「お盆までだろう」と判断していたし、食べることができなくなったと聞いてからは「あと数日」とこれまた冷静に見ていた。

 問題は院長が自分を死ぬと思っていなかったことにある。特殊な病気を診る医院なので、本来なら院長が紹介状を書いて引き継ぎをするべきなのに、何もかもほったらかして逝ったものだから患者は「私はどこの病院に行けばいいのですか」と困り果て、スタッフはその対応でてんてこ舞い。

「余命3カ月と宣告されていたはずで、3カ月もあれば患者さんに紹介状を書いてバトンタッチできたのに、自分の都合で患者さんを抱え続けた結果がこれ。医者として失格」
 看護師らスタッフは厳しく顧みる。

 がんは死ぬ準備期間を与えてくれる。その準備期間を生かして“事業承継”するのは当たり前なのに、生への執着があると判断を間違う。結局自分のことしか考えていなかったことになる。

 後継者を決めていないし、相続でもめそうなので、関西地方にあるこの医院、最悪閉院だろう。


ワクチン接種は薬剤師の仕事から遠い

 なんで薬剤師が出てきたのかワケが分からない。新型コロナワクチンの打ち手が足りないということで薬剤師が挙がっているというのだ。

 注射を打ったことのない人間に打たせるのか? 無謀と言うほかない。

 薬剤師より適役はいくらでもいる。すでに試行されてるように、まず歯医者だ。歯ぐきに注射を打つことができるのである。私など想像するだけで卒倒する。その辺の医者より能力が高いのではないか。

 次は獣医師である。動物相手に注射を打ったり採血したりしているので、経験豊富と言える。

 さらに検査技師を忘れてはならない。注射は打つことができないが、採血はしている。そのそも注射器を持ったことのない薬剤師より圧倒的に信頼できる。

 というわけで、薬剤師は本業をやってもらえばいい。温度管理を失敗してワクチンを駄目にしてしまう事例が発生しているが、薬剤師が管理していればこんなことにはならないはずだ。大病院ではダブルチェックやトリプルチェックをしているようなので、ワクチンも複数で管理する態勢を取らせよう。

 基本は適材適所である。

東京・江東区医師会のワクチン接種混乱の愚

 新型コロナワクチン接種を東京・江東区の医師会で受ける医療従事者に混乱が生じている。

 2回目の接種は1回目の接種のちょうど3週間後がいいと言われているのに、その2回目の接種の予約が3週間後以降でないと確保できない人が出ているのだ。2日ズレのほか6日ズレの人までいる。

 何でそうなるのか? 6日もズレた接種で効果はあるのか?

 1回目の接種のときにその場で2回目の接種の予約を受ければ済むのに、翌朝9時からネットで申し込むしかない。

 何でそうなるのか?

 朝の9時ちょうどにネットにログインすると、1回目の接種をしたことが反映されておらず、2回目の予約ができない。

 何でそうなるのか?

 アレルギー症状などがある医療従事者は希望すれば総合病院で接種することができ、前もって2回分まとめて予約できる。さらに言えば江戸川区などは一般の人でも2回分まとめて予約できる。

 医療従事者を対象とした医師会でさえこれである。地域差や組織差の運不運があるようだ。先が思いやられる。

 なお、江東区で接種を申し込むための電話がつながらず、1日に300回近くかけ続けてようやく予約できた人がいる。江東区の人はタイヘンだ。


 

 

若い人ほど出るらしいワクチン2回目の副反応

 30過ぎの男、30前の女。どちらも全然違う医療機関で働く医療従事者である。ワクチン接種を2回受けたこの2人の共通した副反応は、2回目の接種の翌日39度台の高熱が出たことだ。

 高熱が出ると聞いていたので、休日の前の日に接種したというから、その休日は事実上の出勤日だな。お疲れさまと言うほかない。

 ほかの医療従事者からも同じような話を聞いている。

「若いほど高熱になるようで、西野さんなら大丈夫ですよ」

 喜んでいいのか?

今年のインフルエンザ予防接種は副作用が

 今年のインフルエンザ予防接種を受けた人たちは例年以上に痒みや痛み、腫れ、体のだるさを訴えているという話を東京都内の医療機関で働く看護師から聞いた。

 というわけで、「これからインフルエンザの予防接種を受ける人は、よりいっそう体調のいいときに」だそうです。


 

安倍さんを応援していたところ

 いろいろな理由で私は安倍さんを評価しないが、1つだけ応援する理由があり、その点においてだけ応援していた。

 それは安倍さんが潰瘍性大腸炎を抱えていたことにある。

 私の身近な友人や親戚、知人に潰瘍性大腸炎の人たちがいる。どれだけ大変な病気であることか。

 安倍さんが首相をやっていること自体が同じ病気の人に対する励ましになる部分がある、と私は受け止めてきた。潰瘍性大腸炎でも激務の首相を務めることができるのだ、と前向きに見た人が私のほかにもいたはずで、そういう意味に限って今回の降板は残念である。

 健康第一。安倍さんにはしっかり養生してほしい。


 

 

救急・救助がマンションに来て分かったこと

 訪問看護の人たちが呼び鈴を押すと、どんなに遅くても5分くらいで玄関先に出てくる高齢男性が出て来ない。もしかして、ということで管理員さんが救急に電話し、救急・救助が駆けつけた。

 ここから先が大変なのだった。うちのマンションはマスターキーはないし、個人宅のカギを管理事務室で預かることもしていないので、入ることができないのである。7階なのだが、電線が邪魔をしてはしご車が届かない。

 救急隊は斜め上の住居からベランダに出て、避難はしごを降ろして下の階のベランダに行き、そこから仕切り板を乗り越えて、当該住居のベランダに。そこで窓ガラスを割って進入したときには1時間ほど経っていた。

 救急隊長に聞いたところ、ベランダ伝いの進入はよくあることだという。しかし、住人が不在だったり、面倒な住人だったりするとそこで時間を食う。このマンションには高齢で一人住まいの人が何人もいるし、私だって高齢者予備軍だからひとごとでは済まされない。

 せっかく救急隊長が目の前にいるので、対策を聞いてみた。

 第一の問題はメインのカギである。問題の第二はチェーンやバーなどの補助カギだ。この補助カギで興味深いことを教えてくれた。チェーンは切断できる。バーは切断できない。しかし、なのである。

「このタイプなら消防で外せます。電話をいただくときにこういう補助カギだと言ってもらえれば準備をして来ます」

 何と!

 ということは、極端な話、メインのカギをかけずに、補助カギだけかけておけば、万一のときでも救急・救助がすぐに進入できるということだ。理事会で今後の対策を検討することになるのだが、希望者のメインのカギを何らかの場所で預かることも前向きに考えなければならないときに来ているなぁ。

 追伸。一人暮らしならメインのカギを分かりやすいところに置いておくほうがいい。搬送されたあと、玄関が無施錠になるからだ。私の部屋のように盗まれるものが何もないのであれば無施錠でもいいのだろうけど。


 

 

東京都立墨東病院の評判は悪かった

 新型コロナウイルスの集団感染を発生させた東京都立墨東病院の評判は以前から悪かったそうだ。通院していた患者さんたちが、近くのクリニックで新型コロナ騒動の前から漏らしていたという。

「医者が変わって態勢が変わり、システム化が整っていないのに患者を受け入れて混乱している。診察が適当」

「質の低い医者が来た」

「あそこはもう行かない」

「看護師も適当」

 病院の質は患者が一番詳しい。

 新型コロナウイルスの集団感染の報道を見て、このクリニックの医療従事者や通院していた患者さんたちがそろって口にした。

「やっぱりね」

「手術のうまい下手はオペ室ナースに聞くしかない」と医師国家試験の出題委員をしていた人から聞いたことがるけれど、病院の評判を知るには患者さんに聞くに限るというわけだ。




 

新型コロナの「急変」を

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 新型コロナウイルスの感染者が「急変」すると言われてきた。臨床医がそう言うのだから「急変」なのだろうと思ってきた。ところが『週刊新潮』4月30日号の特集を読むと、微妙に意味が違うことをこれも現場で診察してきた医者が言っている。

 高齢者は血中酸素飽和濃度が落ち、若年層は呼吸数が増えるというのだ。クルーズ船乗客を治療した自衛隊中央病院のチームリーダーである1等海佐の証言である。

 どこからが高齢者なのか記事には書いていなかったが、24時間態勢で管理してもらえれば「急変」でなすすべもなくという事態を防ぐことができるのではないか。いや、それで軽度の患者さんが病院に殺到することになれば人手が絶望的に足りない。とすれば無理か。

 ほかにもPCR検査の精度についての問題点などが具体的に記されているこの記事は興味深い。


 

戦々恐々の医療機関

 東京都内の某クリニックは「熱が下がらない」などと訴える患者さんが駆け込んでくる。そういう場合は自宅で様子見をと言われているが、患者の立場になれば不安だし、頓服くらいは欲しいと思うのが人情だから、止められない。

 大勢の新型コロナウイルスの感染者を出した病院と連携している某クリニックは患者さんが両方に通院していたりするので、医療従事者は「ここで感染者が出るのは時間の問題」と諦めつつある。

 医療崩壊は避けられない。ツケは私たちに来る。

 常識で考えて感染者が減るわけがなく、このまま右肩上がりで増えていくのは止められまい。外出の自粛を求められても、朝の満員電車を見ると「自粛? 意味ないじゃーん」と嗤わざるを得ない。



 

 

 

広島・海田に名医あり

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 佐村河内守にだまされた私だが、そのコンサートの前わたしは咳が止まらず悩んでいた。そのとき訪ねたのが広島・JR海田市駅前の深坂内科循環器科だ。

 医師は私の咳を聞いてすぐにこう言った。
「喘息の咳ですね。小児ぜんそく用の薬を出しておきます」

 処方された薬は私が花粉症対策で飲む薬の1つだった。要するにアレルギー薬だ。花粉症には十分に効く薬ではなかったが、このときの咳には即効だった。おかげで、翌日だったか翌々日だったかに開かれた佐村河内守の広島コンサートを堪能した(涙)。

 いや。私が言いたいのは佐村河内守ではない。

 今までいろんな医者にかかってきたけれど、私の咳を「喘息」と診断した医者はひとりもいなかった。私の父は夜中によく空咳をしているのだが、あれも喘息の咳なのだろう。遺伝だな。

 というわけで、海田を訪ねるたびに駅前の深坂内科循環器科を見て、感謝の思いを新たにしている。






 

 

芸人KKの目は大丈夫か

 目にレーザーを当てて近視を治すとかいうレーシックは手術が簡単に済むと言われるけれど、ズレることがあると言う医療関係者は少ない。

 レーシックの手術を受けるために某クリニックに来た芸人KKさん。レーザーを当てる位置が微妙にズレた。医者が下手だったのだろう。

 しかしKKさんはこのことを知らない。目の調子が悪かったら来院するだろうし、来たら来たで医者は適当なことを言って(まさか「実はズレましてね」とは言えまい)、再手術をするのかな。KKさんが気づかなければそれでよし。

 知っているのは医者と看護師4人だけ。

 しかし人の口に戸は立てられぬ。こうして私の耳に入るわけだ。

 もう何年も前の話だが、最近のレーシックはどうなのだろう。

 一般の手術室は感染が怖いのでメスなどを徹底して消毒する。しかしこのクリニックの場合は完璧な清潔操作をしていなかった。病院のオペ室ナースだった看護師がこのクリニックに転職して来て消毒のアバウトさに驚いたそうだけど、レーシックの手術はそれでいいのかな?

その医者で大丈夫か?

 西日本のあるクリニックであった出来事――。

 定期的に薬の処方をもらいに来ている慢性閉塞性肺疾患の高齢女性が「風邪かな」とやってきた。呼吸器科の医者は喘息の症状と診断し、ステロイドの点滴をした。しかし、全く改善しない。

 苦しさが増した女性は毎日クリニックに来た。そのたびに点滴のステロイドの量が増え、万一の時のための緊急用の薬を与えられたりした。それでも症状は落ち着かない。ステロイドなどの影響か、顔がむくんできた。悪化の一途を辿る。

 この女性はもともと心臓の状態が悪いにもかかわらず、循環器科に行かず、代わりに(?)呼吸器科の医者が判断して心臓の薬を出していた。

 看護師は考えた。「息苦しさは心臓の機能の低下から来ている可能性がある。これだけステロイドの点滴をしたり薬を飲んでいるにもかかわらず改善しないのはおかしい」

 しかし医者は「息苦しさは喘息から来ているから」と自分の治療に固執した。

 数週間後。女性は「苦しくてもう死にたい」とまで言うようになった。医者は不安を取り除く薬を出した。食欲がないと患者が訴えると食欲が出る薬を出した。

 その日、女性は救急車で循環器科がある病院に運ばれた。心不全だった。いつ急変してもおなしくないくらい悪化していた。

 難関大を出た、頭がいいはずの医者が我田引水してしまう。こんな専門馬鹿に殺されてはいけない。総合的に判断できる医者がほしい。

風邪予防に今年も手洗いするぞ

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 風邪やインフルエンザの季節がやってきた。インフルエンザの予防接種はすでに済んでいるので抗体が定着したことになっている。しかし油断はできない。

 というわけで薬局で見つけたのがこれ。去年はピンク色の容器を買ったが、今年はこれにした。約1000円。どこまで効果があるか分からないが、看護師や医者に聞くと総じて「患者さんひとり診たら手洗いをする」と言うので、手洗いなのだ。

 私の母は風邪もインフルエンザもかかったことがないというア×なのに、私は風邪やインフルエンザにかからない冬はないというくらいの虚弱体質である。母と違って私は×ホではないのかもしれないな。

 というわけで、今冬も神経質なくらい体調管理をして、といっても睡眠と栄養と手洗いくらいだが、それでも風邪やインフルエンザにかかったら潔く謝る(誰に?)。

梶田眼科でメガネの処方をしてもらったところ

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 メガネをかけたり外したりを1日に50回以上やってきた。文庫本を読むときはメガネを頭に載せた。そのうちメガネを頭に載せたまま「メガネがない」と探し回る醜態をさらすことになるんだろうなぁと思っていた。

 この問題が解決した。見事によく見える。メガネを外すことがなくなった。パソコンの文字も文庫本の文字も新聞の文字もちょうどいいあんばいに見えるのだ。

 東京・芝浦の梶田眼科のおかげである。

「遠くが見えればいいというものではないんです。近くが見えないとね」

 今まで受けたことがない検診をされ、梶田先生の診察を受け、仮のメガネをかけて30分ほど過ごし、また診察を受け、処方箋を出してもらった。プリズムを組み込んだレンズの処方が特徴らしい。

 処方箋には「眼鏡店様へ」の欄があり、《この処方箋には、決して変更を加えないで、本処方箋に忠実に製作してください》などと記されている。処方箋を見るなりイワキの店長は「梶田先生ですか!」と表情を引き締めた。そういう位置にいる眼科医らしい。

 この梶田先生はNHKの「ガッテン」に登場した。それで私は知っているのである。テレビで見たのと同じ顔だった(当たり前)。

 でね、処方箋どおりに製作されたメガネのよさったらもう。手元がよく見える。生活にも仕事にも不自由がなくなった。

 メガネやコンタクトをしているのに「見えない」と嘆いている友人がいるのだが、なんだ、要するにそのメガネやコンタクトが合っていないのである。合っていないまま放置しているのである。目が商売道具ではない人は少ないだろうから、合うものにすみやかに変えるべきだろう。

 梶田眼科で眼鏡の処方箋を出してもらう場合は電話で予約を。

人間は自分が見えない


 あるクリニックで。

患者「最近は高齢者が運転する車の事故が多くて、ぼーっと突っ立ってられない。いやになるよ」

看護師「ほんとだよね。巻き込まれないように気をつけないとね」

患者「俺の運転ならあんな事故は起こさない」

 患者さん83歳。

看護師「まだ運転してるんだ」

患者「俺はあいつらと違う」

 看護師は「そういう慢心が事故を起こすんだよ」とは言えなかった。


 ある施設で。

お年寄り「ここは年寄りばっかりでたまったもんじゃない。腰曲げてよちよち状態で歩いているのは見苦しい」

家族「おばあちゃんも年とってんだぞ」

お年寄り「あしたしは違うわよ」

 おばあちゃん93歳。このあと97歳まで生きた。

 人間は自分が見えない生き物なのかもしれない。

40年に及ぶ私の花粉症を100パーセント抑えたビラノア

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 去年の春たまたま飲んだビラノアが私に春を返してくれた。大鵬薬品にどれだけ感謝しても足りない。

 私の花粉症は高校2年ごろまでさかのぼる。鼻が詰まっているのに鼻水が出る。出続ける。目がかゆい。喉もかゆい。くしゃみが止まらない。くしゃみのついでに鼻水が噴き出す。外出なんかできるわけがない。殺してくれと思った。

 熱が出るわけでもない。当時はアレルギー性鼻炎と言われていたが薬がなかった。下宿に籠もるしかなかった。

 ここ20年くらいでようやく薬が出てきたが、10〜30パーセントは症状が出る。春を満喫することはもうできないんだなぁとあきらめていたこの私がいま春を満喫している。副作用は何も感じない。

 春がこんなにいい季節だったとは。ビラノアのおかげである。ビラノア神社を作ってもいいと思うくらい感謝している。

 というわけで、花粉症で苦しむ人にはビラノアを勧めてきたが、効果がある人とそうでない人に分かれる。薬も相性があるのだった。

 最も効果を出したのは友人とその息子さんだ。友人の花粉症がぴたりと治まり、アレグラを3錠のんでも効果がなくて苦しんでいた息子さんに与えたところこれまたぴたりと治まった。

 苦しんでいる人には申し訳ないのだが、わっはっは。

がんの自由診療について

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 関東在住の20代の女性ががんと闘っているのだが、大学病院の治療で効果がない。本人の希望もあり、家族が自由診療のがん治療の1つを見つけた。1600万円。

 私は医者でも何でもない。これまで見聞きした話を整理してみる。

・がんの専門医はがん研やがんセンターに大勢いる。ここでセカンドオピニオンを受けることができる

・がんについての知識が十分にないのに、がんの自由診療をやっている医者がいる

・新しい手術や薬効などなど医学論文で発表するのが医者の常識

・真っ当な医者は医学論文に目を通している

・金を払えば載せてくれる雑誌やサイトに“医学論文”を発表する阿呆がいる

 自由診療のその治療に関する肯定的な見解を示した医学論文が由緒ある医学雑誌に載っているかどうか。これを目安にするかな、私なら。

 この女性の父親の心中は、同じ父親として分かるつもりだ。しかし、1600万円を個人が借りるためには担保が必要だろうし連帯保証人も求められるだろう。にもかかわらず治療の効果は確約されない。相次ぐ厳しい場面が予想される。言うべき言葉がない。

高次脳機能障害に関する基礎を学ぶことができる

 ひとごとではないので知っておくほうがいい。高次脳機能障害である。ひとくちに「高次脳機能障害」と言っても脳梗塞などに起因する場合と事故で頭部外傷を負った場合がある。後者の患者さんを大勢診ている医師が懇切丁寧に解説してくださったので、広く読んでいただきたい。

 誤診の可能性についてのぶしつけな質問に対して、岡本隆嗣先生は誠実にご回答くださるなど、器の大きさとお人柄がにじみ出た。家族会から全幅の信頼を得ている理由がよく分かった。岡本先生の説明は素人の私にもよく分かり、論理だった話はそのまま文字起こしすれば済んだ。このような経験は初めてである。

 連休で車に乗る機会が増えるだろう。もし交通事故に遭って、退院後に「人がまるで変わってしまった」という場合、高次脳機能障害を疑わなければならない。
 
 事故による頭部外傷の高次脳機能障害の基本



健康を維持する最善の方法

 70歳前後の男女4人の会話。

「A病院の薬は副作用がきつい」

「B病院は医者がよくない」

「病院の名前ではなく、いい医者に診てもらわないと」

「しかし誰がいい医者か分からんよね」

「病院にかからないようにするのが一番」

医とカネ――『赤ひげ診療譚』

 特段の理由はないが時代劇や時代小説に興味がない。今日読み終えた『赤ひげ診療譚』(山本周五郎・新潮文庫)が初めてのはずだ。文庫は1964(昭和39)年の発行で、私が買ったのは2017(平成29)年の105刷。もはや古典と言っていいだろう。アマゾンのレビューで高く評価されていて、読みながら納得した。山本周五郎ポピュリスト説があるようだが、そう見ることもできるし、林真理子のようなツボを押さえたストーリーテーラーと同じとも見ることができて、まぁどっちでもよろし。私は2回ほどウルッとなった。山本周五郎は生活の底辺を知っているのだ。

 流れる通奏低音は米テレビドラマ『ER』と同じ、金儲けに走らない医者の話である。

 実は『ER』のシーズン1の第1話が医者とカネをテーマにした内容だった。グリーン先生は楽な仕事で休みもあって賃金も多い医療機関に誘われたのに全く興味を示さず、急患に追われて満足に寝ることもできず賃金が低い州立病院の救命救急現場に戻っていく話で、これはシーズン15まで続くことになる『ER』が最初の最初に「カネ儲けの医者の物語ではない」と高らかに宣言したのである。何シーズンの何話か忘れたがジョージ・クルーニー演じるダグ先生もゆとりがあって高収入の病院への誘いを断る。

 資本主義の権化のような米国だから新鮮に映ったのかもしれないが、「医とカネ」を見る私たち市民の期待は変わらないということではないか。『赤ひげ診療譚』にせよ『ER』にせよ大勢の支持を集めた背景には、ちりひとつない職場で楽してカネを稼ごうという医者への厳しい批判が含まれている。

まちなかの開業医って

 次女からメッセージが届いた。「もうダメかもしれん」。添えられた写真は39.8度を示すデジタル体温計。

 芝居がかっているのは私似か。

 せっかく徳島に行ったのに発熱し、開業医と休日夜間診療所に行ったもののどちらも頓服を渡されて終わり。それで相当頭に来ている。

「インフルエンザではない。では風邪かな。それで頓服を出して終わり。まちなかの開業医ってお医者さんゴッコをやってるだけだよ」

 なお、本人の見立てはマイコプラズマ肺炎である。高校2年の時にかかったことがあるのでピンと来た。その時は近所のいい医者と言われる小児科にかかったのだが「普通の風邪と誤診した野郎だ」と恨みを忘れない。

「インフルと風邪しか頭にないのか町医者は」。毒を吐きまくるムスメである。

 それだけ元気があるなら心配ないな。




 

この目医者大丈夫か?

 花粉症の薬をもらうために私は東京・品川の目医者に通っている。この時期混雑する耳鼻科にわざわざ行かなくても、目医者で処方箋を出してもらえるならそれでいい。

 もう何年も通っている。この春は3回目の通院だ。

 いきなり眼底検査である。そんなに毎月やる必用があるのか? わざと大きな声で看護師に聞く。

「前回もやったのに?」

 次に診察である。女医が言う。

「いま出している目薬はステロイドが入っているので、目に異常が出ないか調べる必要があるんです。目にかゆみがない場合はささなくていいです」

 たちまち疑問が浮かぶ。おいおい、去年もおととしもその前も、そんなこと言われなかったし、眼底検査もしなかったぞ。

「アレジオンを2カ月分出しておきますね」

 また疑問が浮かぶ。2カ月分出せるなら最初からなぜそうしない。

 この女医は先月私にセレスタミンを1日2回で60粒も処方しやがった。セレスタミンはステロイド配合で眠気を催す強烈な薬である。のんきな薬剤師が「1日に8回まで大丈夫です」とぬかしたが、お前が飲んで見ろよ。ワシは単なる花粉症だぞ。

 この女医は先月普通の目薬ヒアレインを処方し忘れた。

 どうしようもない目医者なのである。いつもたいてい空いているので、すぐに診察してもらえる。そこだけが魅力なのだが、ぼちぼち引き上げどきかもしれない。

 雇われ院長で、ネットで見ると評判が芳しくない。そのうち交代させられるだろう。イーストワンタワー内の目医者である。

治療は高齢者後回し若い世代優先で

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 読み応えがあった。『週刊東洋経済』9月24日号である。

「納得のいく死に方  医者との付き合い方」という特集で2つ「ほほう」と考えた。

 1つは「長生き志向は間違っている!」。後期高齢者の検診に公費を使うなという問題提起だ。もう1つは「湯水のごときぜいたくはいつまで可能なのか」。救命救急センターを利用できるのは70歳までにせよという問題提起だ。どちらも現職の医者が実名と写真入りで述べている。

 前者について。私の場合子育ては終わっているのでもはや長生きする必要はない。ただ、いま私が死んだら大勢の女性が嘆き悲しむので死を先延ばしにしているだけ。よく考えたら健康オタ君である必要すらないのだった。ありゃりゃ。この“気づき”は私にとって青天の霹靂で、では一体何のために生きているのか。根底が揺らぐのである。もっと本を読みたいけれど、死んだら全部忘れるし(忘れるのか?)。

 後者は救急救命医の切実な問題だった。残り時間のない高齢者より未来がある子供や働き盛りの世代、若い人の治療を優先したいということである。よくぞここまで言うななぁ。救急救命の現場ではここまで言わざるを得ないくらい高齢者が若い世代の治療の邪魔をしているということか。

 政治家の判断が求められるが、投票に行くのはもっぱら高齢者だから、政治家がこの問題に手をつけることができるわけがない。現状は変わるまい。

 未来がある若い世代を優先して治療することについて私は異議なし。

行列ができる歯科医院

 コンビニの数より歯科医院の数が多いと言われ、悪戦苦闘が伝わられる歯科業界で、「年内は予約を受けることができません」とお客さんを断っている歯科医院がある。山形・酒田市から東京・汐留に進出した「日吉歯科診療所汐留」だ。

 酒田市といえば土門拳の古里だが、ここでは触れない。

 あの熊谷崇さんのご子息が所長を務める。親の七光りで押すな押すなの大盛況なのである。予防歯科にお金をかけることができる人は山形より東京のほうが圧倒的に多い。市場を比べると日吉歯科の東京進出は正しい。

 酒田市の人口の10パーセントが患者さんだと言われる日吉歯科本店だが、避ける市民がいる。その理由を聞いてみたところ、「熊谷先生は技術があるけれど、その下で働く先生の中にはそうではない人がいるから」だって。確かに歯医者には技術者の要素が求められ、親の技術が優れているから子供の技術も優れているとは限らない。千葉県内には親から息子に代替わりした途端に患者さんが激減して経営不振に陥った歯科医院がある。

 閑話休題。話を汐留支店に戻す。

 私は熊谷先生の予防歯科に興味を持っているが、酒田市まで通院するわけにはいかない。酒田市民いいなぁと思っていたところに汐留支店開業のニュースを聞いた。

 つい先日、歯の詰め物が取れたのでこれ幸いと電話で予約しようとしたら冒頭のようなことを言われた。待ってられない。結局行きつけの歯科医院を予約した。美しい女性の歯医者が私の担当なので、まぁいいか。

頭と副作用は使いよう

弟子1号「バイアグラが何でできたか知ってる?」

私「使ったことないけん知らん」

弟子1号「強がり言ってね? まぁいいや。話を先に進めるよ。あれはね、狭心症の薬として開発したんだけど、治療薬としてイマイチだったらしい。でも血管を開く薬なので副作用として勃起するわけ」

私「おおー!」

弟子1号「何でそんなに喜んでるの? 怪しいな」

私「話を進めなさい」

弟子1号「サリドマイドっていいイメージないでしょ」

私「薬害のイメージ100パーセント」

弟子1号「ところが、いい作用があるんじゃないかと気づいた人がいる。サレドカプセルという名前で臨床試験に通ってるんだ。白血病の一種の治療薬として。かつて薬害を招いた悪い作用をする部分を分離する技術ができて、いい作用をする部分だけ生かしてできたのがサレドカプセル」

私「柴田翔の『されどわれらが日々』を連想させる命名だな。サリドマイドの『サリド』と『しかれども』の意味の『されど』を混ぜたな」

弟子1号「ああ、たぶんね」

私「サンキュ。ブログのネタがでけた」

弟子1号「請求書、どこに送ればいい?」

睡眠改善薬を格安で買う方法

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 とくしまマラソンの際に早寝早起きするため、睡眠改善薬ドリーネンを数日飲んだ。その箱を見た弟子1号が言う。

弟子1号「こんなの飲んでるの?」

私「ドリエルより安いぞ」

弟子1号「それなら、レスタミンコーワがまだ安いよ」

私「何それ?」

 インターネットで検索してみたら抗ヒスタミン剤だった。

弟子1号「第1世代の抗ヒスタミン剤で、ジフェンヒドラミン塩酸塩が含まれている。このせいで、程度の差こそあれ眠気が来る副作用があったのね。その副作用に目を付けて睡眠改善薬にしたのがドリエルやドリーネン。抗ヒスタミン剤としてレスタミンコーワがあるわけだけど、どれも成分はジフェンヒドラミン塩酸塩」

 1錠辺りのジフェンヒドラミン塩酸塩は上記の3製品で違いがあるけれど、そこはドリエルやドリーネンに合わせればいい。というわけでさっそくアマゾンでレスタミンコーワを買った。800円ほどで120錠も入っている。

私「こういうことをドラッグストアの薬剤師なら知っとるわな?」

弟子1号「そりゃ知ってるでしょ」

私「レスタミンコーワが安いですよと勧めんわな?」

弟子1号「安い商品を勧めないでしょー」

私「そうか」

弟子1号「ところで眠れないの?」

私「いや、バタンキューよ」

弟子1号「だったら何で買ったの?」

私「あれ?」

花粉症患者が行くべき医者は

 花粉症歴30年以上のワタシは、この時期に薬がないと死ぬ。片栗粉を溶かしたドロドロの液体に似たものが鼻の穴から絶え間なく垂れ続け、目とのどはタワシでゴシゴシこすりたいかゆみに襲われ、猛烈なくしゃみを連発し、それが引き金になってドロドロ鼻水が風船をつくり(思わず笑ってしまうのである)、それが、ああ、薬のおかげで死なずに済んでいる。

 花粉症の薬と言っても、効くヤツとそれほどでもないヤツがある。看護師に言わせると、アレロック、アレジオン、アレグラの順に弱くなるそうだ。それから、ここが重要なのだが、この3つは同じ作用機序を持つので、例えばアレロックとアレジオンを併せて飲んでも効果はないそうな。

 上記の薬と併用するなら、作用機序が異なるザイザルかタリオン(この2つは似たような作用機序なんだって)がいいそうだ。

 事実、医者によっては複数の薬の併用を指示している。勉強熱心な医者がいるもんだと感心したが、その医者も花粉症で悩んでいた。道理で(笑い)。

 しかしここに答えがある。花粉症患者は花粉症の医者に行け。

痛いがな!

 レントゲンでは異常がなかったのでMRIを受ける。

 画像を見ながら医者が言う。「あー、肉離れですね。珍しいところが肉離れしてますねー。けっこう出血してますよ。痛いでしょ」

「死ぬほど痛いです」と私。

 うれしそうな顔の医者は私を立ち上がらせて、「痛いのこの辺でしょ」と言いながらウニューっと押す。痛いがな。痛いところを何で押すねん(涙目)。

マルチビタミンの摂り過ぎは前立腺がんリスクを増大させる

 さっき届いたメルマガを読んで仰天した。マルチビタミンを摂り過ぎると前立腺がんのリスクが増えるというのだ。<米国ではマルチビタミンの効果は否定的となっており、マルチビタミンの使用は妊婦さんなどの特殊な場合以外は推奨されていません>だって。オーマイガー。

 サプリメントにはまっていた時期がある。マルチビタミンやギンコビローバー、COQ10、メラトニンなど、いろいろなサプリメントを試していた。米国から輸入していたことさえある。私のような健康オタ君は一時的な情報に右往左往しがちでなのある。

 言い訳を書くが、あのころ私が付き合っていたアンチエイジングの医者がマルチビタミンを飲んでいて、「おしっこが真っ黄色だぁ〜!」とお互いに喜々としていた。マルチビタミンへの見解がこれで見事にひっくり返ったわけだ。何年も前にマルチビタミンを一切摂らなくなったのは不幸中の幸いと思いたい。

 上記の情報は私が読んでいるメルマガ「Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報」が出典だ。ハセさんにはお目にかかったことがあり、そのご経歴から拝察しても信頼度は抜群である。

 ハセさん、ありがとうございます。

健康診断は無意味

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 <最初にはっきりと申し上げておきましょう。健康診断は無意味です。受ける必要は一切ありません>で始まる論考を『文藝春秋』5月号に書いたのは順天堂大大学院の白澤卓二教授である。

 がん治療に関しては早期発見早期治療ではなく、「何を食べるか、どう生活するか」だという。糖尿病などの一般的な疾病に関してはそうだろう。しかし遺伝性のがんや糖尿病は早期発見早期治療が有効だと私は思うのだが、その辺りについての言及はない。健康診断は無意味として人間ドックも無意味なのかという点への言及もない。

 私の読解力が悪いのか、一体これはどういう文脈で語っているのかと不明瞭な部分があり、隔靴掻痒の感が残る。

ノバルティスファーマは高級弁当をクリニックに持ってくる

 製薬会社の営業マンが日夜しのぎを削る医療機関。クリニックでは製薬会社主催で月に1回くらいの割合で昼休みに勉強会をすることがあり、その弁当は製薬会社が必ず用意するのが常識だ。

 都内のあるクリニックに出入りするノバルティスファーマの営業マンは弁当が自慢である。「今日の弁当はどうでしたか」「買いに行ったらテレビの『カンブリア宮殿』の取材が来てました」など、弁当の良さを強調する。実際、ほかの製薬会社の弁当が1000円台後半から2000円台であるのに対して、ノバルティスは4000円近い弁当を持ってくる。そのうえペットボトルのお茶はトクホのお茶だったりする。

 社員が身分を隠して臨床研究に関与するなどのアクロバット営業で元を取らなければならないワケだ。ノバルティスと言えども、自分につける薬はないのだろう。

霊は救急車に乗ってくる?

 関東地方にある3次救急病院で、霊が見える研修医がいた。その人が見た事例の数々が後輩たちに語り伝えられている。

 救急車の屋根に乗って病院に来た霊がいた。もちろん“本体”は救急車の中である。救急車の後部ドアを開けると、左側のシートに座っていたこともあるという。

 どの霊もしょんぼり、茫然自失の様子である。

 一方、霊が見えない場合がある。

 研修医によると、「霊が見える場合はすでに手遅れ。霊が見えない場合は助かる可能性がある」なのだとか。

 ということは、応用すれば「霊が見えないからこの患者は助かるぞ。頑張って助けよう」と「霊がそこにいるからもうダメだ」と判断できるわけだ。トリアージとして活用できる?

病院関係者が語る「救急現場に居合わせたときの救命処置」

 目の前で人が突然倒れたらどう動くか。あるいは、人が倒れている現場に出くわしたらどう動くか。

 自動体外式除細動器(AED)を自分が取りに走る? 病院関係者は「心臓が止まっている場合、分単位で決まる。最初の数分が勝負」と言う。いろいろな救命曲線にあるように、心臓が止まったまま10分も放置されていると、ほとんど助からない。ではどう動くか。周囲に人がいる場合の流れは以下のとおり。

(1)周囲の安全確認をする。車の危険はないか。有毒ガスが出ていないか、まず自分の環境の安全を確認する

(2)「大丈夫ですか」と声をかける。肩を揺すって2回くらい声をかける

(3)意識がない場合(重大な状況)、「誰か来てください」と周囲に呼びかける

(4)「そこのあなた、AEDを持ってきてください。あなたは救急車を呼んでください」と指名して依頼する

(5)呼吸と脈拍を確認する

(6)呼吸も脈拍もない場合、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始める。うつぶせなどの場合あおむけにする。はここまで1分もかからないはず

(7)1秒に2回くらいの速さで圧迫する(1分間に100回くらいが目安)

(8)胸が5センチくらい沈むくらい圧迫する

(9)AEDや医者の到着まで続ける。疲れるので、交代できるのであれば1〜2分で交代する

(10)意識が戻ったり咳き込んだりすれば、呼吸するか脈拍が出るか確認する

 その昔、東京駅前の横断歩道で初老の男性が倒れているのに出くわしたことがある。数人が立ち尽くしていた。私もどうしていいか分からず交番に走った。でも、これを知ったからには大丈夫だ。おーし! カモン!

国公立大卒の医者に制限を与えるべし

 国公立大の医学部を出て医者になった人は、相応の年数は保険診療に従事しなければならない。その年数に満たない期間に美容などの疾病に属さない自由診療に従事する場合は、相応のお金を国庫に返さなければならない。

 こんなふうに枠をはめていいのではないか。

 国公立大の医学部生にはわれわれの税金が投入されている。したがって、投入された税金に見合う年限は保険診療に真面目に従事するのが筋である。

 相応の年数や相応の金額をどうするか。これは防衛医科大を参考にすればいい。医官にならずに卒業後すぐに民間に出た場合約5000万円の返還を求められる。医官として勤務した年数に応じて5000万円が減っていく仕組みだ。

 最近は「8年目で辞めても5000万円の返還を求める」という声が防衛省内で出ているようなので、変更される可能性はあるが、とりあえず9年で5000万円という防衛医大のルールを国公立大医学部生に当てはめればいい。

 私立の医学部や医大は、税金投入額に応じて金額や年限を変えていいが、同じようなルールを適用すべきだろう。

糖尿病発見に役立たない人間ドック

 人間ドックや健康診断で調べる糖尿病検査は基本的に空腹時血糖である。朝食を抜いて計る血糖値だから普通は高くない。

 しかし、糖尿病の可能性を調べるのだからインスリンの分泌能力を本来調べるべきである。つまり、食後1時間血糖や食後2時間血糖の値を調べなければ意味がない。

 ではなぜ食後血糖を調べないのか。おそらく、そんな悠長なことをする余裕がないのだ。ベルトコンベアで運ばれるように次々と検査をしていかないと人数をこなせないから医療機関の利益が減る。もう1つの理由は食事をすると胃カメラなどができなくなる。

 それなら最初に胃カメラをして、そのあと食事させて、1時間後と2時間後の血糖を計ればいい。しかし、きっかり1時間後と2時間後に血液検査をするとなると、医療機関側の負担が増える。つまりと面倒くさい。

 隠れ糖尿病を発見する気のない人間ドックや健康診断に意味があるのだろうか。

医学部生を甘やかすな

 臨床実習前の医学生の8.5%が製薬会社からタクシー券を受け取った経験があるそうな=10月26日付『朝日新聞』朝刊(東京本社版)。文房具以外の小グッズを受け取ったのは約19%だそうな。

 こうして「自分たちは特権階級だ」と勘違いする阿呆が白衣を着て医者になる。注意する人がいないから、単なる勘違い野郎では済まない。そのうち「たかる」ようになる。

「フランス料理を食べよう」「この店の代金払っといて」などなど、たかり医者の話は集めようと思えばいくらでも集めることができる。難しい試験を通って医者になった人のこの卑しさに私は言葉を失う。

 医者も看護師も、製薬会社からもらったボールペンを使うのは恥ずかしことだと自覚しよう。筆記具くらい自分で買え。まずはここからだ。

ワタシは健康オタクか?

 最近「血糖値をゆるやかに上昇させるために野菜から食べましょう」と言う人が増えた。アンチエイジング医学業界に片足を突っ込んでいた私は何年も前から実行している。

 私の主食は栄養のない白米ではな完全食と言われる玄米である。

 毎晩体組成計に載っている。

 毎晩納豆を食べている。

 毎日ビフィーナSを飲んでいる。

 サプリメントが好きで、今はニンニクのサプリを飲んでいる。

 睡眠不足を異様に嫌う。

 水を適度に補給している。

 ジュース類はほとんど飲まない。

 野菜にドレッシング類を一切かけない。

 歩数計を持ち歩いている。

 寝る前と朝起きた時は水を飲む。

 風呂に入る前と出たあと水を飲む。

 ここに来て糖質制限に乗り出した(笑い)。江部康二先生の『「糖質オフ!」健康法』(PHP文庫)を読んで納得したからだ。

  ようやく気づいた。私は健康オタクかもしれない。

看護師就職難の時代が来る

 看護系学部のある大学は20年前の10倍に増えて、210校もある。看護師不足が慢性化していたので、文部科学省は看護系の認可を連発してきた成果である。

 看護師は今も引く手あまたで、私のお客さんに看護師が3人いるけれど、職場の変更など余裕のよっちゃんである。年齢が上がっても職場はある。

 普通の会社員ならこうはいかない。だから会社員は会社にしがみつかざるを得ない。

 一方しがみつく必要がない看護師は、自由自在に職場を渡り歩いてきた。しかし、である。20年前の10倍という数字から見えてくるのは、看護師も近い将来いす取りゲームになるということだ。

 女性ばかりの職場なので面倒なことが多く、看護師は渡り歩かざるを得なかった。しかしそうも言っていられない時代が来る。

 看護師が「国家資格」で食える時代はもう少しで終わる。今からサバイバルの準備をするほうがよさそうだ。

週刊誌にあのセンセーが(恐)

 今週発売の週刊誌の記事にあのセンセーがコメントで何度か登場している。

 院内で新しい点滴を売り出そうとしていた。試しに受けてみた数人のスタッフ全員が点滴を受け始めた直後に相次いで倒れ、激しい嘔吐や下痢に苦しむというとんでもない事態が起きた。

 実は私も新しい点滴を受けてみる予定だった。少し遅れて到着した時には数人のスタッフがベッドに倒れ、よろよろとトイレに行くという地獄絵図が展開されていた。

 スタッフがばたばたと倒れた時、このセンセーは看護師に「どうしよう?」と尋ねている。「どうしようって、あんた医者でしょと呆れ果てた」と看護師は証言している。

 全快するまでに数カ月かかったはずだ。この間もセンセーはスタッフに「調子はどう?」と声をかけることさえなく、不信感を集めた。医者としての実力のなさも責任感のなさも明らかになったからだ。

 そのセンセーが週刊誌にコメントで登場しているのだ。ああ恐ろしい恐ろしい。
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